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June 28, 2009

映画評 おくりびと

お勧め度 ★ ★ ★

公開当時からみたかったが、観る機会を逸していた。アカデミー賞を
受賞したおかげで映画館で再び上映される運びとなり、その機会を
とらえて見に行った。

おおざっぱな感想をいうと、いい映画だけどなんか変ね、という感想
になる。所々気になるけどいい映画だね、とならないのは、アカデミー賞
の影響によるものだろう。

納棺士という職業が今もあるのかどうかは知らない。しかし、本木は
よく演じている。「死」を映画として取り扱うというのはなんとも反則技
であるが、それぞれのシーンでほろっとさせられてしまうのもまぁ事実。
とはいえ、なんとも、すっきりとはしないのである。なにがすっきりしない
かといえば、父親に対する悲しみ。そうなのかな~。そんなに簡単では
ないでしょう。この人の人生ってなんだろう?と考える一方で、それより
も自分の人生に悩んでいたのではなかったっけ?あからさまな職業
差別的な発言は周りからはなくなったのかな?

それから奥さん役。広末の演技力は「??」であるが、人物造形が
おかしい。これでは性格破綻者である。「けがらわしい」という言葉は
常軌を逸しているし、「子供ができたの」と、のうのうと家に戻ってくるのも
信じがたい。奥さんと和解して、よかったね、ではなく、これから大丈夫?
これでいいの?とかえって心配になってしまうのである。

映画と一緒でなんともとりとめのない感想になりました

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June 14, 2009

映画評 チョコレート ファイター

お勧め度 ★ ★

出演者と制作者、両者の情熱のみ評価される作品。
主人公の少女は見た目もよいし、アクションもすばらしいが、話自体は
破綻しており、こういう映画を見ると、他の映画がいかに、シナリオとし
て破綻していないかがしみじみと感じられる。「人間って、こんなふうな
動きができるんだ~」という楽しみをしたい人以外には見る価値のない
映画。これを見て、今さらながらスタートレックの評価を上げたくなった。

主人公の少女は、阿部寛とタイのヤクザの女の間に生まれたハーフだ。
阿部寛は抗争にケリを付けて日本に帰国してしまい、女はヤクザの元
を離れ、少女と2人つましく暮らしている。ところが、この親子には安穏
とした暮らしを維持するにはいくつか障壁が存在する。1つには少女が
知的?障害児であることだ。映画ではろくに説明がないが、サイトで見
ると、どうやら自閉症らしい。しかしながら一方で彼女は目で見たカンフ
ーをそれだけで体得するという異能の持ち主でもある。もう一つは母親
が重い病気にかかってしまったことだ。こちらも映画では一切の説明が
ないが、投薬を始めたとたんにぐいぐいと容態が重くなり、髪の毛が抜
ける。どうやらガンらしい。少女は薬代を手に入れるために、母親が
ヤクザ時代だったころの借金を取り立てに回るようになる。

取り立て相手はどれもこれもごろつきで、しかもその部下はなぜかみん
なカンフー使いであり、それぞれの工場や職場でカンフーによる借金争
奪戦が始まる。
ま、このシーンは手を変え品を変えのアクションシーンであるので、ちょうど、
格闘アーケードゲームの実写版を見ているような感覚に陥る。アクション
のみに恍惚とできる観客はよいが、アクションが延々と続くので食傷気味
だ、それがどれほど肉体を駆使した、気合いの入ったアクションだろうと。

物語はここで終わらない。問題は取り立てている金が母親だけのもので
はなく、かつての情夫のものでもあることだ。そこで、これまで嫌がらせを
していた、妙に粘着質のタイヤクザが登場する。かつての阿部寛の敵役
である。この男、彼女の嫌がらせを延々とするのだが、何をしたいのかが
わからない。本人もわかっていないのではないか?ただ彼女をいじめたい
だけなのかもしれない。最初は取り戻したいのかとも思っていたが、病気
の治療をさせるでなく、挙げ句の果てに銃口を突きつけるにおよび、性格
破綻者としか思えない。

そして、そのボスキャラをめぐり、阿部寛も途中から乱入して大立ち回りが
始まるのである。

まぁ、ひどい映画である。
アクションに力を入れる割には、人間の動きがわかっていないのではないか
と首をかしげたくなる。動けば疲れるし、やられればダメージが蓄積される。
格闘ゲームと人間の違いは、ゲームは生命レベルがゼロになるまで平気で
ゼロになったとたんに死ぬ、ピンピンコロリだが、普通の人間は一定以上
のダメージを受けるとがくんと動きが鈍くなってくる。この映画にはそういっ
た配慮がないので、やられたはずの人間がゾンビのように生き返ってくる。
阿部寛もなますに切られたくせにしばらくすると生き返って大立ち回りで
ある。事ここに至ってはコメディですらある。訳がわからないのはラスト
シーン。あの阿部寛の独白に納得して、「うんうん、よかったね」と思える
観客は万に1人もいないだろう。そもそもお腹を銃で撃たれて、立てなか
ったのにいつのまにか参戦していた彼女の世話役のデブはどこに行って
しまったのか?タイで無事にいることを願わずにはいられない。

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June 08, 2009

映画評 スタートレック

お勧め度 ★ ★

 自分は日本ではあまりいないと思われるトレッキーの1人である。
しかし、スタートレック全般が好きなわけではなく、DS9を偏愛する
トレッキーなのである。
 
 なぜDS9を偏愛するかの理由はさておき、自分がスタートレックが
好きなわけは、それはスタートレックがアメリカのよきリベラルを体現
したドラマだからである。あれを観れば、いわゆる学生街のその時々
の主流たる思想が見て取れる。世相の半歩先を行っているのである。

 TOSではクルーの1名だった黒人はDS9ではDS9の責任者となり、
まさにオバマの先駆け。先立つこと約10年の見事さである。ちなみに
前後して放映されたボイジャーでは船長は女性で、これまたクリントン
の先駆けである。

 しかるに、本作は、新キャラではなくカークでありスポック。冷戦時代
の設定なのである。本作は全くの新しい話として展開しているので、
登場人物以外、絡むところがなく、その点では今後どうにでもなる素材
ではあるが、いかんせん登場人物の属性設定が古い。これではなか
なか時代の先取りとは行かないだろう。実際、映画はほとんどアクシ
ョン映画である。

 今となっては古色蒼然のオリジナルシリーズであるが、そのオリジ
ナルシリーズを換骨奪胎するために映画ならではの工夫もある。服装
などがそれだ。宇宙戦艦ヤマトの制服が子供心にとても格好よかった
のに今となっては、いじめに近いデザインであるように、スタートレック
の制服も今となってはあり得ないくらいにかっこうわるい。今回の映画
版では、格好の悪さは相変わらずであるが、オリジナルファンにも怒ら
れず、一方で知らないで観る人間にも違和感を軽く感じさせる程度の
微妙なデザインや素材の質感の変更を行っており、なんとも苦労が忍
ばれる。

 日本公開にあたって、最も問題なのは、観客の知識だろう。ロミュラン
とバルカンの関係について映画を観る観客のうち1割も知っているの
だろうか?最後の台詞が、スタートレックの有名な出だしとわかる観客
がどの程度いるだろうか?知らないでも楽しめる、とはいえ、アメリカ
ではこれを見る人は、ごく基礎的な知識として、ダースベーダーとルーク
が親子であるのと同じくらいの当たり前のこととして認識しているのと
では明らかな差がある。その点で、やはり日本人にとっては不親切な
映画なのである。これを大々的に宣伝する配給元は、商売ではあるか
らしょうがないが、やはりこれまた不誠実であるとも言えよう、ベースが
あって楽しめるものなのだから。そしてそのベースはターミネーターの
ように3本映画を観ればだいたいわかるのとは訳が違うのだ。

 そんなわけで、この映画は、数少ないトレッキーのこれまたオリジナル
シリーズファン向けの映画だ。そうでなければ、膨大なDVDをこれから
購入して、比較的地味なスタートレックを好きになって勉強しようという
奇特な人のための映画である。
 ちなみに、映画は以上をクリアした人間が見ればそこそこおもしろい。

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