映画評 スラムドッグ$ミリオネア
お勧め度 ★ ★ ★
アメリカにいるとき、パセリに付いたキアゲハの幼虫(青虫)を育てたことがある。
キアゲハどこにいてもキアゲハで、同じ植物の葉を食べ、同じようなさなぎになり、
同じ模様の蝶になった。それに引き替え、人間の世界に拡散し、その食べ物や
生活様式の多様さといったらどうだろうか?本作品を観て、そのような全く関係ない
感想を持った。
主人公(ジャマール)は兄のサリムと共にボンベイの貧民街に住んでいた。
インドでは有名な事件なのだろうか?ヒンズー教がイスラムのインド人を襲撃し、
2人は孤児となり彼らに付いてきたラティカという同世代の少女3人で乞食になる。
彼らはやがて、子供を乞食に仕立ててピンハネをするママンという悪党の元へ
連れて行かれる。
歌のうまい少年は目をつぶして盲目の乞食に、少女はやがては売春婦に仕立
てるのだ。事態を飲み込み、逃げた3人だが、はなぜかサリムが飛び乗った電車
からラティカに伸ばした手を離したことによりラティカはそこの連中に捕まり、
兄弟は電車で街を離れる。それから兄弟は、盗みや詐欺を繰り返して生きていく。
ラティカの事が忘れられないジャマールは、割のいい観光地のタージマハル近辺
での暮らしを捨てて、名称がムンバイになった旧ボンベイに戻ってくる。ムンバイで
盲目の乞食に出会ったジャマールは彼からラティカの居場所を聞き出し、兄と共に
彼女を救う。もとから凶暴性を身に持っていた兄は、やってきたママンを撃ち殺し、
庇護を求めるために地元のヤクザの元へ、そしてついでにジャマールから美しい
少女となったラティカを奪ってジャマールの前から姿を消す。
ジャマールはラティカがクイズ番組ミリオネアを観ていたことを知っていたため、
彼女とのコンタクトをとるために番組に出場する。
本作品は彼が番組において、無学問なのにも関わらず、次々と難問をクリアして
ミリオネアとなったシーンから始まる。なぜ彼が1000ルピーの肖像も知らないのに
アメリカ百ドル札の肖像が誰なのかをしっているのか?なぜ彼がラーマ王子の右手
に持っているものが何なのかを知っているのか?それらは回想シーンとして出て
くる。彼の人生での経験がたまたまこれまでのクイズ番組の構成と合致している
様がそこから判明する。さて、最後の問題、これに答えれば彼の賞金は倍になる、
そして番組をどこかで観ているはずのラティカとは会えるのだろうか~。
オスカー8部門をとったほどの作品とは思われないが、確かによくできてはいる。
中身に沿った疑問を提示してしまうと、なぜ、非人間的な側面を多くかかえる兄貴は
最後になってそういう気分になったのだろうか?
最後に踊りが出てくるところに本来のインド映画を感じる。できれば、登場人物で
踊ってほしかった。


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