お久しぶりです。
お勧め度 ★ ★ ★ ★
「時をかける少女」がよかったので、こちらも見てみた。
結論;こちらもよい。「時をかける少女」×0.9くらい。
そして、感想。
この監督、若者を描くのがうまい。若者にとって、思春期にとって、
やはり夏は、常に「特別な夏」でなければならないと思う。
なにもなく、夏が終わろうとしている現在を振り返ると、ことさらに
そう思う。
この話の登場人物達にとっては、老若男女にとって、とてつもない
「特別な夏になった」。なんといっても世界を救済するのだから。
あろうことか、世界を壊す元凶と世界を救うかもしれない人間が信
州の上田に親戚の集いとして集まっているのだから、笑える。
ことの事態の重要性と、そのことを理解しない人々、さらにはせっぱ
詰まった状況においても日常性が入り込めるのがアニメの良さだ。
ハリウッド映画ならば最後は延々と30分はフルスロットルにな
って観客もグダグダに疲れてしまうことだろう。このアニメはその点を
特にうまく表現している。うまく表現しているので、「学校1の美女が、
自分の恋人のフリをしてくれと頼んでくる」などという、常識を持って
いなくてもよもや書かないであろう設定も何となく許せるような気が
するからこれまた不思議である。
さて、物語は、高校生の先輩(美人)から田舎帰りの手伝いに
誘われることから始まる。設定されている舞台は、若干の近未来
というところか。OZという仮想世界を構築する、なんだろう、よく
わからんがセカンドライフのもうちょっと現実世界とのつながりが
強いようなもの?(というのも、あらゆる社会活動がOZのフォー
マット上で管理されていたりするので)が行き渡っている一方で、
上田の田舎はいつまでたっても田舎のままで、両者が両立して
いるのが妙にリアルだ、もちろん、でてくる高校生はやはり高校生
だし。話を逸らすと、このOZという仕組みがどのようなものなのか、
オープニングにて説明するのだが、これがなんともうまい。
分かりやすい。
さて、主人公達は本家の祖母の誕生日祝いに暢気に向かうの
だが、その一方で、OZとやらの仮想世界では、「好奇心」を埋め
込まれた人工知能が、暴走を始め、様々なインフラに深刻な
影響を与え始めていた・・・
世界を救う鍵を握る主人公は明らかに天才だが、「数学オリンピック
の日本代表になり損なった」という設定が、見る側に親近感を
多少ではあるがもたらしている。うまい設定。
しかしながら、やはり、特別な人間か、といえば特別な人間。
後半は超人的ですらある。そして、特別な人間には、特別な人間
だけが見える景色がある。ペンタゴンや世界中のPC専門家が
何をしていたのか知らないが、そんなスーパー頭脳でなく、別の
理由で集った上田の彼らが世界を救う。そして、近所ですら
そんなことがあったとは、気づきもしない。
今回は親戚一同、7人の侍よろしく各わき役がいい仕事をしているが、
やはり鍵を握るのは一部の人間である。「特別な人」「一部の人間」。
映画の主題とは関係なく、そんなところに意識が行ってしまった、
四六時中凡人の立場として。
もっと作品に関する感想としては、作中でたまに使われる、
「まだ負けてない!」
単純だけど良い言葉です。
Recent Comments